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松田聖子=良きおかあさん、を定着させたリアリティ溢れるテレビドラマ [松田聖子の歴史を動画で振り返る]

 「おかあさん」としての松田聖子が定着したドラマが、よく知られている「たったひとつのたからもの」だ。2004年10月26日に2時間半の単発番組として放送されたこのドラマの中で、聖子はダウン症児を持つ母親・佐藤由美を演じた。このドラマは松田聖子がほぼ11年ぶりにテレビドラマ出演するという話題性も手伝って、視聴率30.1%をたたき出している。

 ドラマでは聖子が秋雪とほんとうの母子のように演じている姿が視聴者の共感を呼んだ。彼女以上の演技ができる女優はたくさんいるだろう。しかし、ドラマ中では、松田聖子は秋雪役のダウン症児と心を通わせることに心血を注ぎ、随所でほんとうの「おかあさん」のように振る舞っている。そこには、「おかあさん」としての聖子の姿が見られる。その過剰ではない、抑制した演技は、このドラマに大きなリアリティをもたらした。

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 ドラマ中に、秋雪が運動会で走る場面が出てくる。この実際の撮影シーンで、秋雪役の子供がハプニングで転んだのだという。その場面は本編でも使われているのだが、あわてて秋雪の元へ駆け寄ろうとする聖子がバックに映っている。このハプニングでは、秋雪役の子供は自力で起き上がって走り出す。聖子はそれを見て手を出すのをやめている。まるで本当の親子のような所作だった。
 聖子はかなり役になりきるようなところがある。この後に作られた「火垂るの墓」でも、その宣伝のために出演した番組で、子役の話になると声を詰まらせて話ができなくなることがあった。演技とは思えないほど上手だった子役とは、精神的に結びついていた面があって、思い出すと涙が出てしまうのだと説明していた。
 このドラマの中でも、こうやって子育てをしたんだろうか、と思わせる箇所が幾つも出てくる。また、夫役の船越英一郎との会話でも、家庭ではこんな風に話すのだろうかと思わせる場面が多数ある。その自然体の演技は、多くの視聴者に訴えかけるものがあったようだ。
 21歳の時、コントで演じた「おかあさん」は、21年後、ドラマ「たったひとつのたからもの」の「おかあさん」役で結実した。

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