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Amazonが開始したインターフォンも鳴らさない「置き配」の衝撃度 [その他]

 11月3日にAmazonで買い物をした。配送状況に関して、「置き配をしますか」という項目があった。時間を効率的に使いたいので、当然「置き配」を指定した。置き配は初めての経験だった。翌4日朝9時20分頃、「置き配しました」というメールが届いた。配送状況には、玄関に置かれた荷物の写真が写っていた。玄関を開けると配達員はもうそこにはおらず、写真の通りに荷物が置かれていた。この間、インターフォンは鳴らされない。
 
 置き配は初めてだったので、どういったものかわからなかったが、家人がいるかいないかにかかわらず、家人とのコミュニケーションは一切ない状態で荷物が置かれる。置き配が終わると即座にその状態が写真が撮られて「お届け完了メール」でその状況がユーザーに知らされる。

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 配達人は慣れているので、家の玄関まで入り込むのは容易であろうが、ユーザーの中には家の中まで知らない人が入り込むのを気持ちが悪いと感じる人もいるだろう。また、配達時に人がいれば手渡しが行われて、いないときが置き配になると思う人もいるだろう。実際は、人がいるいないに関係なく、一切のコミュニケーションなしで置き配が行われる。

 筆者の家の場合、周囲をフェンスに囲まれているため、玄関に入るのには相当な覚悟が必要である。入り口にはフェンス状の引き戸もあって、道路からは隔絶された環境にある。また、玄関は道路や周囲の家からは丸見えの状態にある。置かれた荷物を意図的に持ち去るのは、ほぼ困難である。こういった状況であれば、以前から「置き配」には何も躊躇はなかった。

 もし盗難などの被害にあえば、Amazonはその分を保証する方針だという。これらの内容を考えると、配達の効率化という点ではAmazon、ユーザーともにメリットがある方式だと言える。Amazonには配達ルートの自由度が高まるし、応対時間も軽減する。ユーザーには配達時間に家にいる必要がなくなり、時間が有効に使える。ただし、一戸建ての場合、盗難などのリスク以外に、悪天候時に荷物が濡れてしまう危険性はある。これは、写真にもあるようにAmazonがメーカーの梱包状態のまま発送する簡易包装に切り換えていることもあって、家人がいない状態が数日間続いた場合などは風雨により梱包状態が悪化してしまう恐れは十分にある。こういったリスクはすべて現出されてはいない。

 クロネコがAmazonの配送から撤退した理由は、コストが合わなかったからということもあるが、置き配を望むAmazonに対して、配送の品質の維持という観点からヤマトが置き配を拒否したという点も大きいだろう。今後配送単価の低下とともに、ヤマト運輸が通販の置き配に踏み切る可能性もある。今回始まったAmazon配送による置き配は、大きな社会的実験ともいえ、今後は配送に関して多様な形式が提供される可能性を示している。

 置き配が普及すると、置き配を望まないユーザーの配送コストが高く設定されるようになるだろう。そうなれば、置き配を望まないユーザーは配送料無料でなくなる可能性が高い。しかし、置き配の圧倒的な効率の良さから考えれば、それを望まないユーザーが高額な配送料を支払うというのは、社会的な負担という観点から、やむを得ないことだと言えるのではないか。

 ユーザーが平等に扱われる時代ではなくなった。その商品やサービスを提供する側が最も効率的と考えるルールに適合したユーザーが、優遇されていくのだ。
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