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2004年に来た詐欺請求ハガキと+メッセージが架空請求に使われる懸念 [その他]

 最近、また詐欺請求ハガキが増加しているという。そういえば、ウチにも一度来たことがあるなと探してみたら、とってあったので、ここで公開しておこう。

日本総合データシステム.jpg



 送られてきたのは2004年8月。まだ詐欺ハガキが世の中に出回り始めてそれほど時間はたっていない、黎明期と言って良い時期である。最近の詐欺ハガキと比べてみると、文面は異なっていて、最近ではあまり見かけない内容だ。
 タイトルはいきなりこれを送った架空の組織名になっている。そして「金を払え」という文面が続き、この当時の「定番」だった携帯番号「080-1260-XXXX」をわかりにくくした「0801-260-XXXX」という電話番号が書かれている。この電話番号については架空請求する者たちも学習は重ねているようで、最近では「03」から始まる固定番号が使われている。おそらく固定電話でもMNPが使われるようになったので、最近の架空請求に用いられる固定電話番号は光電話のようなデジタル回線業者のものだろう。
 掲載画面では携帯番号が流用されて無関係の方が使われている可能性もあるので、最後の4桁を隠している。

 文面は、突っ込みどころ満載の笑ってしまう内容だ。このあたりは、今の架空請求でも全く同じで、このころから現在に至るまで、架空請求する者たちはあまり進歩していないようだ。ただ、最近の架空請求で名乗る組織名が民間組織から「法務省管轄支局 国民訴訟通達センター」や「民事訴訟管理センター」などいかにも公的な組織のように思わせるようになっているのは、少しは「学習」していると言えるのかもしれない。
 何も有料サービスなどは使っていなかったし、そもそも具体的なサービス名も書かずに「有料情報サービス」だけの記述しかないのには、あまりの稚拙さと低能ぶりにあきれかえった覚えがある。だいたい、「データの流出」「ブラックリスト掲載」「訴訟手続き開始」「個人データの削除」なんていう文言、本気で詐欺をしようという気があるのかとすら思ったものだ。世の中の常識をわかった人であれば、こんな幼稚な文面にだまされることはないだろう。
 ちなみに、「データの流出」が起こったとしたらそれが故意であれば個人情報保護法違反。「ブラックリスト」って、何のブラックリスト?ブラックリストなんてものは、世の中には存在しない。「訴訟手続き」?たった1枚のハガキ送ってきただけで訴訟かよ。「個人データの削除」?何の個人データよ?
 また、ここで示された住所の「東京都中央区新川2-26-4」は、当時のマップサイトで確認したが、もちろん実在していなかった。

 さて、表面の宛名がまた突っ込みどころ。タックシールが貼ってあるのだが、いちおう私の住所と名前は塗りつぶした。このタックシール、思い切り「傾いている」のだ。さぞかし発送作業がお忙しいことなのだろう。まるでやっつけ仕事のように左へ傾いている。こんないい加減な宛先の貼り方をまともな組織がやるはずがない。こういうところも、実に愚かしい。人をだまそうとするなら、こういう細部にも気を使って欲しいもんだ。
 そして消印は「王子」。中央区新川とはかけ離れている。きちんと当該郵便局で出すくらいの気遣いはないのか。

日本総合データシステム宛名側.jpg


 しかし、本書の文面に話題を戻すと、とても人をだますような緻密なものではなく、また日本語としてもおかしな構成になっている。明らかに日本語として整っていない。変な文章だ。こう考えると、まともな企業や官公庁から来る文章というのは、さすがにきちんとしているもんだなと改めて思う。自分が書くときもこんなおかしな日本語は用いないので意識していなかったが、まともな日本語を書けない人たちというのは、世の中にごまんといる。そしてまともな日本語を書ける人はこんな架空請求詐欺はしないのだろう。

 この架空請求ハガキ、2004年に来てからは一度も来ていない。当時は1枚あたり50円。今では62円。引っかかる「ヒット率」は1万枚で一人?10万枚で一人?それを考えれば、決してバカにできないコストになる。もしかすると、1回出して引っかからなかったらその人には再度出すことはしないという取り決めでもあったんだろうか?

 いずれにしてもこれは「効率」の問題だから、最近の架空電話詐欺がヒットしにくくなってくれば、この往年のハガキ詐欺に回帰するということはありうることだ。そういった「効率」の面で考えると、5月にサービスが始まった「+メッセージ」は、危ない。+メッセージがある程度普及すると、架空請求の草刈り場になってしまう可能性がある。無料で電話番号の入力だけで全角2730文字が送れて、添付ファイルにも対応している。架空請求ハガキよりも「効率」がよい。
 +メッセージ登場前にSMSで架空請求が送られてきたこともあったし、LINEの乗っ取りメールにも遭遇した。便利になればなるほど、悪いことをする者にとってはだます場が広がることになる。+メッセージはスマホに導入してあるが、あまりに詐欺メッセージが増えてきたら、アンインストールすることも考慮しなければならなくなるだろう。十分に普及して正規のメッセージが交わされる前に、詐欺メッセージの方が多いなんてことにならなければよいのだが。
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