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50プリウスで発生したオートマチックハイビームの動作不良とは [その他]

 2016年2月に購入した50プリウスには、「セーフティセンスP」が付いている。「セーフティセンスP」は、自動ブレーキの「プリクラッシュセーフティシステム」、50km以上でレーン逸脱を警告する「ステアリング制御機能付きレーンデパーチャーアラート」、「全車速追従機能付きレーダークルーズコントロール」、そして車速30km以上で動作する「オートマチックハイビーム」で構成される。
 この中で、「レーンデパーチャーアラート」と「オートマチックハイビーム」が動作がおかしくなる不具合が発生した。このうち、今回は「オートマチックハイビーム」の動作不良を採りあげてみよう。
 納車後数ヶ月。驟雨が去った夕方に出先からクルマを出そうとしたところ、オートマチックハイビームが効かない。オートマチックハイビームのスイッチは「ON」となっていて、点灯しているのに、暗いところでもハイビームにならない。ほぼ毎日通っている場所なので、ハイビームになる暗さなのはわかっているが、ハイビームにならない。「あれ、おかしいな……」と思いながら運転していると、しばらくして自然に回復してオートマチックハイビームが効くようになった。
 また数ヶ月後。同じく雨上がりだったと思う。同じようにオートマチックハイビームが動作しない。今度は、時間がたっても治癒しない。仕方がない、このままディーラーへ向かおうとディーラーへ電話して「これからオートマチックハイビームの異常で向かう」と告げて走っていたところ、突然オートマチックハイビームが復活した。
 そのままディーラーに行って話をしたが、解決するわけもない。初めての現象なので、営業マンも取説を見ながら動作不良の原因を探ろうとする。しかし、結局は「気象条件によってカメラが判別できない状態となって動作しないのではないか」という結論にしかならない。

 その後数回、オートマチックハイビームが効かない現象が発生した。今度は雨上がりではなく、通常の状態、つまりドピカンの晴れの夜にそれは発生した。しかも自然治癒しない。気象状態との因果関係がわからず、動作不良の原因追及は迷路に入ってしまった。
 試しに、ディーラーの営業マンが言っていた、「そのとき、可能なら一度エンジンを切って再始動してみてください」というのを思い出し、エンジンを切って再始動してみた。そしたら、今度はきちんと動作する。オートマチックハイビームは、ますます迷宮に入ってしまった。
 オートマチックハイビームが動作しない現象は、稼働後1年強が過ぎた頃から、なぜだかまったく発生しなくなった。その理由もわからない。点検に出している間に、ディーラーが密かにプログラムを書き換えているなんてことはまったくないだろう。
 
 オートマチックハイビームが効かなくなると、やっかいなことが起きる。オートマチックハイビームは、
①オートマチックハイビームスイッチON
②ディマースイッチをハイビーム側に倒す
という動作で稼働するようになる。このとき、オートマチックハイビームが正常に動いている場合には、ヘッドライト点灯右側に「AUTO」が表示されるが、表示のあるなしの区別が付きにくい。通常はこの状態で正常に動いていると判断せざるを得ない。
 この状態でオートマチックハイビームが効かないと、対向車がなく、暗い場所でもハイビームがオンにならない。オートマチックハイビームが動作状態になっていて、だが正常動作していないと、ロービームのままなのだ。

 オートマチックハイビームに異常があってハイビームにならないときには、「オートマチックハイビーム」スイッチをOFFにして、通常のロービーム、ハイビーム切り替えを行う必要がある。このオートマチックハイビームスイッチはインパネ下側にあるので、動作させにくく、わかりにくい。しかも、動作異常があっても「ON」状態を示すLEDは点灯したままなのだ。
 オートマチックハイビームが異常な状態で動いていないときに、ハイビーム側でもロービームのままにしておくというのは、果たして安全設計の上で正しいのかどうかわからない。道路運送車両法上では、「ハイビーム」が基本だからだ。オートマチックハイビームが効かなくなってロービーム固定のままになるというのは、安全上問題があるかもしれない。こういう部分は論議の必要があるだろう。
 おそらくメーカー側は、対向車や前車とのトラブルを避ける意味で、オートマチックハイビームが効かない場合にハイビーム固定となるのは避けたかったのではないかと思われる。ロービームのままなら、対向車や前車への問題は絶対に発生しないからだ。しかし、ハイビームが効かないまま、暗い夜道を高速で走るのは、極めて危険だ。その危険は運転者が察知してオートマチックハイビームを切ってくれというのがメーカー側の言い分だろうが、運転者はオートマチックハイビームが効いていると信じている。この行き違いは、ちょっと怖い気がする。

 その後1年近く、オートマチックハイビームの不具合は発生していないと言ったが、それは私が通勤でクルマを使わなくなったことも大きいだろう。通勤に使っていると、ほぼ毎日、帰宅時はライト点灯となる。毎日乗っていれば、様々な気象条件に出くわす。ところが、通勤で使わなくなると、私も初めて知ったのだが、始動時に暗い状態で出かけるということ自体が極めて少なくなるのだ。暗くなってから出かけるということ自体があまりない。
 ディーラーで確認したところでは、このようなオートマチックハイビームの異常動作を訴える人は極めて少ないという。それは、夜間に使用するユーザー自体が少ないことと、オートマチックハイビームを使っている人じたいが少ないからだという。また、使っていても、先に書いたように動作不良には気づきにくい点が上げられる。オートマチックハイビームが動作異常であっても、それを示すアラートがないからだ。また、最初は動作していなくとも、15~30分ほど運転すれば自然回復してくる可能性も高い。
 
 オートマチックハイビームを含めて、このような安全装置は、あくまで運転支援、アシストだと理解している。100%動作することじたい、あり得ない話だ。機械に任せきりにするなんてことは、絶対にしてはいけない。だから、ディーラーへもクレームで扱わないで欲しいと言っている。しかし、安定して動作を行うように、できる限りシステムの完成度は高めていって欲しい。だから、「このような事例がある」ということを報告して欲しいということにしている。当初はオートマチックハイビームが効かないと慌てたが、今では「ああ、また気象条件によって起きたな」と思って、スイッチを切るなどして対処している。
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50プリウスのリアラゲージ付近での異音はショックアブソーバが原因だった [その他]

 2016年2月納車の50プリウスに乗っている。かなりの初期ロット品である。これまでにも、フロントウインドから遮音材がはみ出していたり、オートマチックハイビームの動作が不安定になったりするという不具合がたびたびあった。遮音材はみ出しは納めて治ったし、オートマチックハイビームの動作不安定も、どうやら1年以上が経過すると出なくなってきた。しかしこれは、気象条件が揃う機会がないからで、また不具合が発生する特定の気象条件などが揃えば、現出する問題となるだろうと思っている。
 乗ってから1年ほどたった昨年春。いつもはオーディオを聴きながら走るのだが、たまたま切っていたときのこと。右後ろのシート後ろあたりから、「カタカタ」という音がするようになった。最初は余り気にしなかったのだが、いちおうシートを倒して再セットしたり、シート周りの取り付け状態を確認してみたが、異音は消えなかった。なんだろ、そのうち徹底して調べなければならないなと思いつつ、つい先延ばしになっていた。
 昨年末頃から、音が次第に大きくなり、頻出する確率も高くなった。以前はオーディオを聴いていると聞こえなかったのが、オーディオを聴いていても異音は聞こえてくるようになってきた。
 しかも、停止から発進の際に、ごくわずかだが「ジャダー」のような現象がまとわりついてくる感覚がある。ほんとにわずかなのだが、新車時の走り始めのときと、どうも様子が違う気がしてきていた。
 そこでディーラーに持ち込んで、「1年くらい前からリアで異音がするが、だんだん大きくなってきていた。この原因はなんだろう?」と聞いてみた。
 まずは営業マンが助手席と後部座席に乗って、私が運転して異音確認。「たしかにします。シートの立て付けではないです」しばらく付近を走る間に、営業マンは耳を近づけてその場所を探ろうとする。
 「これは……中ですね。タイヤハウスの中から聞こえます。」それを聞いた瞬間、「これはやばいな」と思った。
 ディーラーに帰ってからメカニックが確かめに運転して近間を回ってきた。やはり発生する。しかも今度は、発生箇所をかなり特定しているような雰囲気がある。2時間ほど、待った。この間、私は「サスペンションなんてこと、ないだろうな」と、気が気ではなかった。しかし、テストを終えてやってきた営業マンは、「サスペンションです」という。「非常に珍しい部分が不具合になったね。今まで余り聞いたことがない」と言ったら、「そのとおりです」と営業マンも言う。
 故障が想定される部分の部品をすべて揃えて、サスペンションをすべて下ろして交換する必要があるので、修理日は9日後となった。
 修理は午後1時から始まった。終了したのは午後4時40分頃。異音の原因はショックアブソーバーで、ユニットごと交換したという。音が出ていたのは右側だが、左側もばらして確認したという。交換したショックアブソーバを見せてもらったが、確かにカタカタといっていて、軸がずれているような感じがする。
 交換後に、メカニックは合計3回、公道でプリウスを走らせて試験している。それぞれが別々のコースで、低速から中速、やや速い速度まで実際に走って音の出方を検証している。最後には団地内の周回道路を3回回って確認もしている。これは付いていたドライブレコーダーの画像で判明したものだ。修理後に3回も異なる担当者が試乗して異音確認を行うほど、状態は重篤だったのだ。

 このショックアブソーバーの交換で、リア付近からのカタカタという異音は皆無になった。また、走り出しなどの時に感じたジャダー風の後ろが一瞬遅れるような感覚もなくなった。プリウスは納車時の初期状態に戻ったと思われた。

 今までクルマに40年以上乗ってきて、サスペンション異常になった記憶はない。壊れない部品だと思っていた。ましてやショックアブソーバーが不具合になるとは、想像もしてこなかった。それが壊れた。今まで壊れるはずもないと思っていた部品が、壊れた。今回のサスペンション異常は、新車組み付け時に使われているショックアブソーバーの不具合によるものだ。もしかすると、もっと多くの事例がでているかもしれない。また、異音を異音と感じずに運転しているような一般の人もいるかと思う。
 リアから発するカタカタ音は、やばいです。していたらすぐに直しましょう。直すとプリウスは実に静かなクルマだと、また改めて感じられるようになるかもしれない。
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ハイビジョン試験放送時代にハイビジョン撮影されていたフジテレビの「北の国から95」 [その他]

 昨年の2017年2月19日、テレビのチャンネルをザッピングしていたら、「北の国からスペシャル95」をやっていた。内容自体は、何度か見ているし、わかっているから、「ああ、またやっているんだ」と、最初は思った。しかし、次の瞬間、「あっ」と言って思わず身を乗り出した。
 「これ、ハイビジョン撮影じゃないか…」
 あわてて途中からハードディスクレコーダーに録画し始めた。ハイビジョンに間違いない。ネットで調べてみると、フジテレビのHPにわずかに1行だけ、「95スペシャルからハイビジョンで撮影された」とあった。
 
 正直、すごく驚いた。1995年放送と言えば、撮影は1993年か1994年あたりからということになる。この当時、NHKですらハイビジョンは試験放送だった。1991年に始まった試験放送は、1994年11月25日から「ハイビジョン実用化試験放送」としてNHKと在京民放5局+WOWOW+朝日放送の共同チャンネルとなっている。まだそんな時代のことである。
 
 このとき、各民放が所有していたハイビジョンカメラは、テレビ朝日とフジテレビが7台、TBSテレビが3台、日本テレビが2台、WOWOWと朝日放送が1台、テレビ東京は0台だった。人気局だったフジテレビが7台を所有していたのは、その勢いから理解できるが、それでもわずかに7台。このうちの4~5台を、「北の国から」の野外ロケとしてEFP(エレクトロニック・フィールド・プロダクツ)カメラに用いていたのだ。
 EFPだけではない。3時間以上のこのドラマの編集は、すべてハイビジョンで行われていた。当時はまだ編集装置が潤沢にある時代ではない。この編集には、膨大な時間と費用が使われたと思われる。もしかすると、NHKのスタジオを借りていたとも考えられる。
 「北の国から95」の制作当時、この番組がハイビジョンで放送される可能性は全くといっていいほどなかった。それでも、この後のコンテンツ市場を見据えて、あえてハイビジョンで制作されていたのだ。
 
 これを通常の4:3地上波で放送するのにも、多くの苦労があったと思われる。もちろんハイビジョンそのままで放送はできない。16:9からダウンコンバートは必須となる。だが、ただ4:3にすればよいというわけではない。16:9の画角と、4:3の画角では、そもそもの映像制作基準が異なる。ハイビジョン画像を確認しながら、トリミングを繰り返し、時には画像の拡大などをしながら、4:3画像にダウンコンバートしたものと思われた。このダウンコンバートにも、多くの時間が必要だったろう。
 この「北の国から」の再放送でいつから「95」がハイビジョン放送されていたのか、私は全く知らない。しかし、23年たった今でも、この「北の国から95ハイビジョン」は、現在のBS放送と全く遜色のない高画質で放送されていた。細部の美しさ、奥行き感、ノイズのなさ。驚くほど美しい。
 横山めぐみ、大竹しのぶ、宮沢りえの女優陣が、素晴らしくきれいで美しかった。とくに宮沢りえの可憐さ、美しさ、かわいさは群を抜いていた。呆然と見つめてしまうほどだった。
 また、大竹しのぶは出演場面わずか11分間。4:3時代でも光っていたが、ハイビジョンとなってその存在感は圧倒的となった。高画質化が俳優の演技を深めるという好例だろう。例えば、田中邦衛と大雪が降る中、バスを待つシーンがある。ここで田中邦衛が振り返ると、大竹しのぶは両目から1粒だけ、涙を流しているのだ。
 明石家さんまが言っていた。「あるシーンで振り返ると、大竹しのぶがどーっと涙を流していてすごくびっくりした」 憑依型女優の面目躍如といえよう。だが、このわずかな涙は、4:3画面でははっきりと見ることができない。
 大竹しのぶが出るシーンは、たまたま大雪が降っていて、大粒の雪が田中邦衛と大竹しのぶの衣装に降りかかる。それが着いて、溶けていく様までがわかる。シーン切り替えでその雪が溶ける様が連続しているので、ワンカットで撮影されたことまで雪の様子でわかってしまう。もちろん、降りしきる雪の一粒一粒の結晶が、見えるのだ。
 「北の国から」はその後98年と2002年に制作され、いずれもハイビジョンで撮影されていた。2000年代初めには、まだ4:3画像のドラマが多く制作されていたことを考えれば、16:9でしかもハイビジョンで撮影されていたことは、今でも賞賛すべき事実だろう。

 フジテレビの全盛時代、しかも看板番組だからハイビジョン撮影は可能だったと言えようが、とくに94年に、果敢にハイビジョン撮影に挑戦した制作陣には、敬意を表したい。なぜって、それが23年たった今、「今時の当たり前の画質」として見られてしまうんだから。これは「先見の明」という言葉だけで表現するにはあまりに不十分な客観的事実なのではないかと思う。
 
 ネットで調べてみてわかったことだが、95年の「北の国から」がハイビジョンで撮影されていたことは、ほとんど何も書かれていない。もっと強調してもよいのにとすら感じてしまう。だが、その時代背景から考えると、あの時代にハイビジョンで長時間ドラマが撮影されていたことは、かなり驚くべきことがらなのではないかと思う。

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