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通信代理店の回線切り替え勧誘が詐欺まがい [その他]

9月はじめに、So-net会員の知人夫妻と会った。何でも、NUROだった回線をauひかりに変えることになり、奥さんは「安くなる」と喜んでいた。
2週間以上たった最近、再会すると、「回線切り替えで従来のメールアドレスが使えなくなる」というトラブルがあったという。これまでのメールアドレスが使えないのは困るので、「何とか元のメールアドレスが使えるようにしてもらったが、別に月々の料金がかかるようになってしまった…」と、困惑していた。
夫妻から聞いた経緯は、こうだ。

8月中旬、家に電話がかかってきた。KDDI(auひかり)の代理店と名乗り、NUROからauに乗り換えると通信料金が安くなるという。おきまりの「これまでの回線を解約する際の違約金はキャッシュバックする」というようなセールストークもあって、言われるままにauひかりに変えることにした。
回線切り替えはスムーズに行われ、auひかりは開通した。切り替えた回線で通信していたが、開通後10日ほどたって突然メールが送受信できなくなった。おかしいと思って代理店に問い合わせると、これまでのメールアドレスが使えないのだと言われた。この段階で、夫妻は何が起きたのかを理解していない。
今までのメールアドレスは使えないと代理店が言い張るので、「これまでのメールが使えないのは困る」と強く言うと、「それでは特別に使えるようにする。それには、月々に別料金が必要だ」という。仕方がないので、しぶしぶ別料金がかかることを承諾したが、わずかとはいえ200円の別途料金がかかっているのだという。

話が見えないので、So-netから送られてきたという書類を見せてもらった。これは、「So-net新規加入のお知らせ」で、新しいIDや新しいメールアドレスが記載されていた。メールのサブドメインは、当然今までとは違うものだった。
ここで私も気がついた。「乗り換え」は、従来のSo-netを退会し、新たに加入するという方法で行われたのではないか。So-netのサポートに電話して確認すると、その通りだった。前会員のIDを解約したため、旧メールアドレスが使えなくなった。それは困るとクレームを受けたので、メールアドレスを追加で使える、接続会員向けの「モバイルコース」へ変更することで、旧メールアドレスを復活させたのだ。このモバイルコースが、月々200円かかる。

この回線変更勧誘事例には、いくつか問題点がある。

まず、通常のユーザーは、回線変更は会員の契約は保持されたまま、「回線のみ変更」で行われると思っているということだ。「お安くなりますよ」と言われたら、従来のサービスのままで、回線だけが切り替わると思うのが常識的だ。
実際、この夫妻も私も、So-netのNUROに変更したときには、So-netの会員契約はそのままで回線だけが変更された。

また、もし「退会」→「新規加入」となるなら、そのフローをきちんとユーザーに伝えなければならない。加えて、それによって従来のメールアドレスが使えなくなること、さらにそれを使い続けるのは別料金が発生することを明確に伝える義務があるだろう。
ところが、電話を受けた奥さんは、「退会になって新規加入になることも、ましてや今までのメールアドレスが使えなくなることなど、説明はなかった」という。実際、代理店の説明書のようなものをみせてもらったが、これらの記述はなかった。

これらと関連するが、もう一つは、わずかとはいえ、以前のメールアドレスを使うために説明にはない費用がかかるようになることだ。月々どの程度お得になるのか詳細は不明だが、おそらくは1000円未満だろう。その中で200円が食われたら、回線乗り換えのメリットは大幅に減退することになる。

通信代理店の「詐欺まがい勧誘」は、今や社会問題化しつつある。8/27に国民生活センターが注意喚起を促す事態に発展している。この業者も、ネット上では悪評が高く、9/1づけで同じ社長が経営する携帯電話ショップ運営のau代理店に統合されていた。こういった事実も、ユーザーには知らされていない。ユーザーは9月以降に、もう存在しない会社と話をしていることになるのだ。幸いにもキャッシュバックはKDDIが行うことになっているそうなので、不払いの心配はないと思うが。

通常はプロバイダの契約はそのままで回線切り替えを行うのに、あえて「退会」「新規加入」を行うのか。そのほうが、通信代理店には「うまみ」があるからだろう。この点をSo-netに「新規加入だと、代理店への手数料が多いのか」と率直に聞いてみたが、「その代理店は確かにSo-netは取引はあるが、個々の条件については答えられない」とのことだった。予想された回答ではあったけれど。

もはや加入する人はすでに加入し、通信の世界は限られたパイの取り合いになっている。他社の加入者を切り崩すしか、営業拡大の機会はない。まさに仁義なき戦いで、代理店の傍若無人でなりふり構わない勧誘は、度を超していて詐欺に近い内容も多いと言わざるを得ない。先の夫妻も、「自分たちが確認しなかったのが悪い」と、泣き寝入りするようだ。だが、通信の話は一般ユーザーにはわからないことの方が多く、それを確認しなったのがユーザー側の責任であるとするのは酷だ。説明責任は代理店側にあると思う。
通信代理店は、So-netのPWまで調べていたといい、このような「業者」が個人情報を握るということにも怖さがある。まともなセキュリティ管理はされているんだろうか。また、この代理店は、夫妻がSo-netの会員であり、NUROの使用者だという情報をどこかで入手して電話をかけてきているが、この情報は、どこから流れているのか。

通信代理店からの勧誘電話は眉唾で聞かなければいけないようだ。




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