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KGB博物館-1 [リトアニア2001年6月]

2001年6月に、リトアニアを訪問した。首都ヴィリニュスのほか、カウナスやロシアの飛び地カリーニングラードに接するニダなどに行った。
この当時のデジカメは充電池がすぐになくなってしまって撮影ができなくなってしまったり、自分の大失態でデジカメを落として筐体が歪んでしまったりして、詳細を撮影していなかった。そんなこともあって、Webにはほとんど公開もしないでそのままにしてあった。
最近、知人にこの話をしたら、「2001年当時のリトアニアの写真は、それなりに貴重だから、公開したら?」と言われた。確かに、首都ヴィリニュスですらまともなホテルもなく、一般に観光旅行にはほとんどいけなかったころの写真は、現在とは違う雰囲気があるかもしれない。また、「血の日曜日事件」でソ連から分離独立して10年目のリトアニアには、資本主義国家としての自由な雰囲気が満ちながらも、かつてのソ連支配の陰がいたるところに残っていた。
ここではKGB博物館を採りあげよう。ソ連支配時代に、ソ連KGBのリトアニア本部として使われた建物である。
落としてしまったデジカメは不調で(帰国後にボディを全交換した)、撮影は詳細には行えなかった。
入り口から入って地下に降りていく階段だ。
IMG_1409.JPG

ここで写真を撮っていると、係員がとんできた。どうやら写真を撮るなと言っているなと思って、
「写真は撮れないですか」と聞いてみると、
「そんなことはない」と、首を横に振る。
「写真撮影料金を払えば撮影できる。入り口で払ってほしい」という。
金額を聞いてみると、入場料とさして変わらない額ではなかったかと思う。
撮影料を支払って再度階段を降り、左側にある拘禁室を撮影した。
IMG_1410.JPG

この部屋は、大人が一人やっと立っていられるだけの広さしかない。
ここを見ていると、写真の「おじさん」が一人、降りてきた。
KGB博物館のおじさん.jpg

このおじさん、私を監視するようにまとわりつく。
「さっき無断で撮影したから、博物館の係の人が付いてくるのかな…」と思った。しかし、なんかラフな格好だし、係の人にしては年配な感じで、なんか雰囲気が違う。
だが、この人が、たいへんな過去を持つ人物であったことが、後にわかる。
彼は、このKGBリトアニア本部に収容されていた「政治犯」だったのだ。

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